こんにちは、いっすー(@issuuuu12)です。
今回は、サッカー界でも起きた群衆事故「ヒルズボロの悲劇」を紹介します。
イングランドサッカーにおいて最大の惨事とされているヒルズボロの悲劇。
多くの犠牲者が出てしまいましたが、現在の安心安全なスタジアムは、この事故の教訓があってからこそかもしれません。
ヒルズボロの悲劇とは?
- 場所:イングランド
- 日時:1989年4月15日
- 負傷者:750人以上
- 死者数:97名
- 概要:観客席にサポーターが殺到。スタンドにて群衆事故が発生
今から30年以上前に、サッカーの母国と言われるイングランドでその事故は発生しました。
舞台はFAカップ準決勝、リヴァプール対ノッティンガムフォレスト戦。
準決勝であること、また当時からリヴァプールには多くのサポーターがいたことから、当日のチケットは完売。満員のスタジアムでの試合でした。
内容
試合当日、非常に多くのサポーターがスタジアムへ押しかけ、かつ入場ゲートにおいて警備の不手際があり、試合直前になっても入場できないサポーターが多数発生。
そのため、なんとか試合開始までに多くのサポーターを入場させるべく、出口専用であるゲートを解放しました。
これによりスタジアム内部へ異常な数の観客が殺到。ゲートから近いゴール裏立見席にサポーターが溢れかえってしまう事態が発生しました。
立見スタンドは、後ろから次から次へと人が押し寄せてしまう恐ろしい状況となり、最前列のサポーターはフェンスに押し付けられてしまう人も。
結果、スタンドの安全基準を相当数上回るサポーターで極度の圧迫状態となり多くの方が圧死。ついにはスタンドの安全策が崩壊。将棋倒しとなる群衆雪崩が起きました。
なお、リヴァプールやイングランド代表で長く活躍されたスティーブンジェラードさんの従兄弟もこの事故の犠牲者の1人です。
原因
警察による観客誘導において業務上過失があったとし、職務不履行による業務上過失致死事件と認定されました。
当日、出口専用ゲートを解放したり、観客誘導をきちんとしていれば防げた事故だったかもしれません。
なお、警察側に過失があると認められたのは、事故から27年後の2016年。
ご遺族の方は長い間この事故と向き合われたそうです。
1989年「ヒルズバラの悲劇」、96人圧死は警察過失が原因と – BBCニュース
事故後の対策。立見席廃止へ
この事故以降、立見席は危険性があるとイギリス政府が判断し、イングランドでは1部2部チームのスタジアム立見席を全面禁止となりました。
そのため、現在でもイングランドの主要スタジアムには立見席はなく、全ての席に椅子があります。
イングランドは、日本とは違いゴール裏でも座って観戦する文化が根付いています。
いいプレーをしたら拍手、チャントは最低限と言ったイングランドのサッカー文化は、この事故がきっかけになったかもしれません。
ちなみに日本のゴール裏は、ドイツやブラジルの文化に近いです!
最後に
日本のサッカーにおいてこのような群衆事故は発生していませんが、ヒルズボロの悲劇のような事故があったからこそ、厳しいスタジアム基準のもと今の安心安全な試合観戦ができています。
今後、このような悲しい事故が二度と起こらないでほしいですね。
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